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「バランス」という単語を辞書で引くと、「釣り合い」「均衡」と説明にあります。
しかし、「体内のバランス」を「健康」と結びつけて考えるとき、
それだけでは不十分な気がします。
それは、どちらかというと「調和(ハーモニー)」という概念に近いものです。
ただ、機能と構造とが均衡がとれているとか、運動機能を支える
筋肉の発育バランスが良いとかいうレベルではなく、生体としての存在が、
部分的にも全体的にも、あるいはどの視点からみても調和していること、
これがバランスの基本だと感じています。
体内のバランスの失調は、体調の変化として自覚できます。
体内のバランスを維持する働きが順調な時は、
身体的違和感やこれといった症状は、ほとんど出現しません。
違和感や体調の変化、症状こそが体内バランス失調(病気)のサインなのです。
このサインを見逃さず、体内バランスを維持する力(恒常性維持機能)が
充分あるうちに対応すること、これが大切です。
また、一見順調に見えても、体内のバランスを維持するため、
特定の組織・器官に大きな負担がかかっている時は、目に見える症状の出現に先立ち、
体表の特定領域に様々な反応(圧痛やこり、皮膚の乾燥・発汗、皮膚温の変化、色素沈着など)があらわれます。
施術者は、こうした小さな変化を見逃さないよう、丁寧に、反応点(経穴)を観察し、
そこへ適切な刺激を行います。
その人が生来持っている生命力・自然治癒力が活性化し、自律神経機能や内分泌系、
免疫系が、あるいは臓腑経絡の機能が、良い方向へ変化することを願って、
皮膚を撫で摩り、あるいは皮下組織や筋肉を抑え、揉み、鍼をうち、灸をすえます。
健康なときに、体調管理として施術を受けることの意義が、ここにあります。
大きく崩れた体内バランスを、人為的に、思うような方向に変化させることは極めて難しいものです。
小さなサインを見逃さず、早めに対応することが大切です。
それ以上に、人智の及ばない大きな力に「生かされている」ことに感謝し、
「自然に則して生きる」ことで、生命力を損なわないよう心がけることが大切だと思います。