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全身のバランスの整えることは日々の生活の中でいかに健康に配慮するかということである。
日々の不摂生を正し、健康的に生きること、と言い換えられるだろう。
「不摂生を正し、健康的に生きる」これには多岐に渡る方法がある。
その中の一つが、古代中国に発祥し、現代まで綿々と受け継がれる東洋医学である。
東洋医学は経験的に発達してきた医学であるが、積み重ねられた知識と経験は古典として現代まで伝えられている。
遥か昔に書かれた、東洋医学の古典の一つである「黄帝内経素問(こうていだいけいそもん)」。
この本は当時の皇帝である「黄帝」とその主治医「岐伯(ぎはく)」の問答を記録したものである。
全88巻にも及ぶ「素問」は「養生法」にまつわる話から始まる。
養生とは、体を大切にし健康の維持に努めることを指す。
黄帝が次のように岐伯に質問する。
「昔の人は100歳になっても元気だったが、何故今の人は50にもなればヨボヨボになってしまうのか?」
その問いに岐伯が答えた内容こそがいわゆる「養生法」であった。
岐伯の語る養生法は簡単に表現すると以下のようになる。
(1)飲食に過不足がないようにすること
当たり前であるが、食べすぎは良くない。また食べないことも良くない。過不足のない適切な食事を心掛けるべきである。
(2)心身ともに過労を戒める
現代でいう所の「ストレスケア」である。近年ようやく浸透し始めてきた心身医学は、古代中国では、もはや当たり前のことであった。
ストレスにより、怒り、イライラした状態が続くとのぼせてしまう。
のぼせは進行すると頭痛や不眠につながっていく。
そしてそれらは病の温床となる。
また例えば恋煩いのような悩みも、積もれば消化器官の働きを低下させてしまう。
東洋医学では古来から精神的動揺も病の原因の一つとして捉えていた。
(3)酒に酔ってのSEXは良くない
酒に酔うと体は温まり、陽気(熱気や活動力)が活発になる。
しかし、酔いが醒める時には体内の陽気は発散されてしまい、体は冷えてしまう。
またSEXは活動的な行為で、陽気を消耗しやすい。この二つが重なると二重に陽気を発散してしまう為、体が冷え、だるくなり下痢をしやすくなる。
(4)春夏秋冬の自然な状態に調和して生きる
これは素問の中で繰り返し述べられている思想であり、非常に重要である。
春夏は気温も高く陽気が多い。
このような環境に於いては人も活動的であることが望ましい。
夏などは汗をかくと涼しくなるものだ。
また、秋冬は陽気が少ない季節なので、人も静かにするのが望ましい。冬に活動して発汗すると、体が冷え風邪をひきやすい。
自然との調和は養生法の基本である。これを守ると100歳まで健康に生きることができるという。
素問という東洋医学の偉大な教科書の冒頭に養生法の記述があるのは、それこそが全身(心と体)のバランスを整え、健康に生きる為の基本であり、最も大切な原則であるからであろう。
古典は先人の叡智の結晶である。現代を生きる我々の日々の健康を守る知恵を、古の書物に尋ねるのもまた面白い。